ヤングギター・2020年7月号を読んだ感想など等

 今月号の特集は「YGジャム・セッション~アドリブ・ギターのススメ~」との事ですが、個人的な感想を言わせていただきますと、ヤンギ購読者層の主なギターの楽しみ方って基本的に往年の名曲を完コピする事であり、「アドリブ=即興演奏の特集ってそんなに需要があるのかねぇ?」って言うのが正直なところではあります。ただ、「往年の完コピ」はメガデスの「Rust In Peace」特集でまかなってるのかもしれませんけど。

で、今月号で目についたのは「譜面の明らかな誤りが多い!」ことで、とりあえずパッと見て気付いた箇所をザっと挙げてみます。

まずはスタイル別アドリブ実践トレーニングってコーナーの「ハードロック/ヘヴィーメタル編」のJoe-Gさんの模範演奏から↓


課題曲Bの2小節目(クリックすると当該箇所から再生します)ですが、ここは動画を見ればわかるようにハイブリッドピッキング(=チキンピッキング ←ピックと指弾きの併用)を絡めたレガートフレーズですけど、何故かフルピッキングで弾くような記譜になってます・・・。ついでに言うと、(不完全小節を除く)2小節目の最後=6弦の6Fは小指で押弦するように指示されてますけど、次の音を考慮に入れると薬指で押弦する以外に選択肢はない事は分かると思いますけどねぇ・・・(動画でもそうなってますし)。
ついでにもう一つ言えば、フュージョン編の佐々木さんもハイブリッドピッキングを結構使ってますのでその辺りを勘案してコピーされる事をお勧めします

本題に戻りますと、Joe-Gさんの演奏の譜面では2小節目以降もフルピッキングのゴリ押しが続きますが、実演ではレガートも織り交ぜていますので是非とも譜面を鵜呑みにせずチャレンジして下さい。

Ex-4のフレーズにおけるピッキングの指示も相当にメチャクチャで、実際には3つ目の音と4つ目の音は連続ダウンで、次の2拍目アタマ=4弦7Fは譜面のようにダウンで弾くのではなくアップピッキングで弾き、その次の4弦8Fから連続ダウンで弾くのがJoe-Gさん流(と言うか、ごくフツー)のピッキングパターンです。

次のEx-5も変なピッキング指示の箇所があって、2拍目最後の音=3弦9Fはアップで弾くよう書かれていますけど、直近の3弦10Fもアップの指示がある、つまり「同弦上を連続アップピッキングする」と言う「いや、百歩譲ってダウンの指示ならわかるが、どう考えてもアップはオカシイだろ。採譜したヤツは実際に連続アップで弾けるのカヨ」と思わざるを得ない無理矢理な指示で(以下略)
ちなみに、動画を見るとJoe-Gさんは当該箇所をプリングで発音させているようです

次は「ジャズ/ブルース/ファンク編」の宮脇俊郎さんの演奏からですが


4小節目のアタマの速いフレーズですが、譜面では均等な6連符になってますけけど、どう見ても(聴いても)6連では無いんですよねぇ・・・。

このコーナーのアタマのP.66には譜例と解説は模範演奏をされた各ギタリストの方達が担っていると書かれていますが、もしかすると「宮脇さんは6連のつもりで弾こうとした」って事なのかもしれませんけど。


上記の外にも、有賀教平さんが担当された「ネオ・ソウル編」でも譜面、この場合は五線譜の方ですが、最後の小節(正確には最後から二番目ですが)、そこの3拍目から始まるオッターヴァ( 8va ←みたいなヤツで、意味は「囲ってる範囲はオクターブ上げて演奏せよ」って指示)が最後の和音の手前で終わっている、つまり、五線譜を頼りに弾くと最後の和音は「1~4弦の15Fをセーハ」ではなく
「1~4弦の3Fをセーハ」する事になってしまってるんですよねぇ。

前述の通り、このコーナーでは譜例と解説は模範演奏をされた各ギタリストの方達が担っているとの事なんで、責任が各担当のギタリストさんにあるのか編集部にあるのかが分からんのですが、どちらにしても、何とかならなかったんですかねぇ・・・。

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